退職代行に依頼したあと、「会社から電話が来たらどうする?」「離職票はいつ届く?」「健康保険や年金の切り替えって何から?」と次々に不安が出てくる人は多いはずです。
この記事では、退職代行を利用した直後から退職完了・転職準備までを時系列のチェックリストで整理しました。会社対応、書類のやり取り、保険・年金・雇用保険の手続き、転職活動の動き出しまで、迷わず進められる順番にまとめています。
この記事は退職代行サービスの評判記事ではなく、「依頼後にやること」を整理する実務ガイドです。
退職代行を利用後にやることの結論
- 今日やること:依頼先の指示確認、会社からの連絡は出ない、私物・貸与物の整理
- 退職日までにやること:返却物の発送準備、書類受取の連絡先共有、有給消化の確認
- 退職翌日〜14日以内目安:国民年金の切替、国民健康保険またはご家族の扶養への加入
- 退職翌日から20日以内:健康保険を任意継続するなら申請(協会けんぽは20日以内)
- 離職票が届かない・トラブル:依頼先に再連絡、または労働局の総合労働相談コーナーへ相談
公式の指示と依頼先のサポート範囲を最優先にし、不明点は連絡を残してから動きます。
STEP 1|当日
依頼先からの指示確認
会社からの直接連絡は出ない・かけ直さない
STEP 2|数日以内
貸与物の返却・私物受取
郵送可否を依頼先と相談
STEP 3|退職日前後
退職届・必要書類の確認
離職票・源泉徴収票・年金手帳など
STEP 4|退職翌日〜14日
年金・健康保険の切替
市区町村役場で手続き
STEP 5|離職票到着後
ハローワークで雇用保険手続き
基本手当の受給申請
STEP 6|落ち着いたら
転職活動の準備
職務経歴書・エージェント登録
退職代行を利用後にまずやること
退職代行に依頼を完了した直後は、不安や罪悪感、ホッとした気持ちが入り混じります。ですが、ここで動き方を間違えると依頼先のサポートが活かしきれません。まずは次の3つだけを意識すれば十分です。
依頼直後にやることリスト
- 依頼先からの「次のやり取り内容」を必ず読む(メール・LINE・マイページ)
- 会社や上司からの直接連絡には原則として応じない(依頼先の指示に従う)
- 会社に置きっぱなしの私物、自宅にある貸与物(PC・社員証・制服など)を一度リストアップする
ポイント
:退職代行は基本的に「会社との連絡窓口」を肩代わりするサービスです。依頼者本人が会社と直接話してしまうと、せっかくの代行効果が下がります。話すべきかどうか迷ったら、まず依頼先に確認するのが安全です。
依頼直後によくある不安と対処
| 不安 | 具体的な対処 |
|---|---|
| 会社から鬼電がきている | 出ない・折り返さない。依頼先に内容を共有して指示に従う |
| 家族や保証人に連絡が行きそう | 依頼先に「家族への連絡停止依頼」が可能か確認する |
| 損害賠償や引き止めが心配 | 労働組合・弁護士対応の依頼先なら交渉範囲が広い。範囲外は相談先を案内してもらう |
| 引き継ぎを急かされている | 業務マニュアルや引継書はメール送付で済む範囲か依頼先と相談 |
会社から連絡が来たときの対応
退職代行を使ったあとも、会社や上司から電話・メール・SMSが届くことがあります。多くは「本人確認」「貸与物返却」「離職書類の送付先確認」のいずれかです。怖い印象を持ちがちですが、整理して対応すれば問題ありません。
会社からの連絡対応の基本
- 電話には原則出ない。留守電やSMSの内容を依頼先に共有する
- 「自分から直接連絡してください」と求められても、まずは依頼先経由で回答する
- 家族や緊急連絡先に電話が入った場合は、家族に「対応せず代行に任せる」と伝える
- 脅し・暴言・損害賠償をちらつかせる発言があれば、文面・録音を残す
注意
:「直接話さないと退職を認めない」という発言を会社側がしても、本人の意思表示があれば原則として退職は成立します。判断に迷うときは、依頼先または公的な労働相談窓口に確認してください。
退職完了までの流れを時系列で確認
退職代行を利用しても、退職そのものは法律と会社の社内手続きに沿って進みます。実際の流れは依頼先によって細部が変わりますが、おおまかには次のような時系列で進みます。
| 時期 | 主な動き | 本人がやること |
|---|---|---|
| 依頼当日 | 依頼先が会社へ退職の意思を伝える | 連絡内容を確認・会社からの直接連絡には出ない |
| 1〜数日以内 | 会社から退職届の様式や返却物の案内が来る | 依頼先経由で書面のやり取り・郵送準備 |
| 有給消化期間 | 必要に応じて有給を消化 | 残日数・取得可否を依頼先経由で確認 |
| 退職日 | 雇用関係が終了 | 会社からの書類・私物受取の段取りを確認 |
| 退職後10日前後 | 会社が雇用保険資格喪失届を提出(翌日から10日以内) | 離職票が届くのを待つ |
| 退職後2週間〜1か月 | 離職票・源泉徴収票が郵送される | 届かない場合は依頼先・労働相談窓口へ |
出典:厚生労働省「雇用保険適用事業所と被保険者に関する届出手続き」公式ページ(確認日:2026-05-07)
会社へ返すもの・受け取る書類チェックリスト
退職時の物品やり取りは、依頼先が間に立っても実際の発送・受取は本人が行うことが多いです。漏れると後日トラブルになりやすいので、早めにリスト化しておきます。
会社へ返すものの例
返却チェックリスト
- 社員証・入館カード・制服・名刺
- 業務用PC・スマホ・ICカード・USBメモリ
- 健康保険証(退職日翌日からは使えません)
- 会社から貸与された参考書・鍵・ロッカーキー
- 業務資料・顧客情報のコピー(持ち出さず破棄または返却)
会社から受け取るものの例
受取チェックリスト
- 離職票(雇用保険の手続きに使用)
- 源泉徴収票(年末調整・確定申告に使用)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳または基礎年金番号通知書(会社保管の場合)
- 健康保険資格喪失証明書(任意継続や国保切替時に使用)
- 退職証明書(必要に応じて発行依頼)
注意
:離職票や源泉徴収票は退職後すぐに届くとは限りません。一般的には退職から2週間〜1か月程度で郵送されます。届かない場合は依頼先に状況確認を依頼し、それでも進まない場合は労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。
健康保険・年金・雇用保険の手続き
退職した翌日から、健康保険と年金の被保険者ステータスが切り替わります。次の転職先がすぐ決まっていない場合は、自分で手続きをする必要があります。期限を逃すと医療費全額自己負担や年金未納期間が生じやすいため、早めに動きます。
健康保険の選択肢
| 選択肢 | 主な特徴 | 申請目安 |
|---|---|---|
| 家族の扶養に入る | 収入条件を満たせば保険料負担なし | 家族の勤務先へ早めに相談 |
| 国民健康保険 | 市区町村で加入。前年所得などで保険料が決まる | 市区町村ごとの案内に従う(自治体公式で要確認) |
| 協会けんぽの任意継続 | 退職前の健保を最長2年継続できる | 退職翌日から20日以内(必着) |
出典:全国健康保険協会「健康保険任意継続制度」公式ページ(確認日:2026-05-07)/加入条件:退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上、退職翌日から20日以内に申請、加入期間最長2年。保険料は退職時の標準報酬月額(上限あり)で計算。
ポイント
:任意継続は「退職時の保険料の約2倍」が目安です。家族の扶養に入れる場合や国保が安くなるケースもあるため、複数の選択肢を比較してから決めると損しにくいです。
国民年金の手続き
国民年金切替の基本
- 会社員から自営業・無職になる場合は、第1号被保険者への切替が必要
- 手続き先はお住まいの市区町村役場の国民年金窓口
- 必要書類は基礎年金番号が分かるもの・退職日が分かる書類・本人確認書類が一般的
- 期限の詳細は自治体ごとに案内が異なるため、必ず自治体公式サイトで確認
出典:日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」公式ページ(確認日:2026-05-07)
雇用保険(基本手当)の手続き
ハローワークでの主な流れ
- 会社から離職票が届くのを待つ(おおむね退職後2週間〜1か月)
- 住所地のハローワークで求職申込・受給資格決定
- 持ち物は離職票、本人確認書類、写真、振込口座が分かるもの、マイナンバー確認書類が一般的
- 自己都合退職の場合は給付制限期間があり、受給開始まで時間がかかる
出典:厚生労働省「雇用保険制度」公式ページ(確認日:2026-05-07)
退職後すぐ転職活動を始めるときの注意点
退職代行を使ったからといって、転職に大きく不利になるわけではありません。むしろ、心と生活を立て直したうえで動いた方が、面接で前向きな話ができるケースは多いです。
転職準備で押さえたい順番
- 休養と生活リズムの立て直し(睡眠・食事・運動)
- 退職理由を「これからどうしたいか」に翻訳する
- 職務経歴書を作り直す(前職の業務内容・実績を時系列で整理)
- 転職エージェントに登録して相談相手を確保する
- 応募社数を最初から増やしすぎない(疲弊を避ける)
ポイント
:退職代行を使った経歴をそのまま面接で詳細に話す必要はありません。聞かれた場合は「体調・職場環境」など事実ベースで簡潔に伝え、現在は回復していることと、今後やりたい仕事に話を戻すと印象が安定します。
未経験からITインフラ職を考えている人や、フリーター期間を挟んだ人は、はじめからエージェントを併用すると応募の質が上がりやすいです。
トラブルになったときの相談先
離職票が届かない、退職を認めてもらえない、未払い賃金や有給消化を拒否される――。こうしたトラブルが起きた場合は、依頼先と並行して公的な相談窓口を使えます。
| 相談先 | 主な相談内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 総合労働相談コーナー(労働局・労基署内) | 解雇・賃金引下げ・パワハラ・嫌がらせなど労働問題全般 | 無料 |
| ハローワーク | 離職票が届かない場合の確認、雇用保険の受給 | 無料 |
| 市区町村役場 | 国民年金・国民健康保険の切替手続き | 無料 |
| 弁護士・労働組合 | 未払い賃金・損害賠償・退職交渉のトラブル | 依頼先により有料 |
出典:厚生労働省「総合労働相談コーナー」公式ページ(確認日:2026-05-07/全国378か所、予約不要、無料)
覚えておきたい
:労働局の総合労働相談コーナーは、解雇・賃金・嫌がらせ・配置転換などほぼすべての労働問題を、労働者・事業主どちらからでも無料で相談できる公的窓口です。「会社が退職を認めない」「直接話さないとダメと言われた」と感じたら、相談してみるだけでも整理に役立ちます。
退職代行を使う前に対応範囲を確認したい人へ
「すでに依頼済みではなく、これから検討する」「依頼先の対応範囲が自分のケースに合っているか不安」という人は、各サービスの公式情報で対応範囲・料金・対応スピードを確認しておくと安心です。代行サービスは大きく分けて、民間運営・労働組合運営・弁護士運営の3タイプがあり、対応できる交渉範囲が変わります。
※ この表は横にスクロールできます
| サービス | 運営タイプ | 主な特徴 | 公式確認 |
|---|---|---|---|
| 退職代行Jobs | 労働組合連携 | 労働組合と提携した退職代行サービス | 公式で対応範囲を確認 |
| 弁護士法人みやび | 弁護士運営 | 弁護士による退職代行サービス | 公式で対応範囲を確認 |
| 男の退職代行 | 男性向け特化 | 男性向けに特化した退職代行サービス | 公式で対応範囲を確認 |
| わたしNEXT | 女性向け特化 | 女性向けに特化した退職代行サービス | 公式で対応範囲を確認 |
対応範囲・料金・即日対応の可否は各サービス公式で更新されるため、申込前に必ず公式ページの最新情報を確認してください(確認日:2026-05-07)。
未払い残業や損害賠償の話が出ているなど法的なやり取りが想定される場合は、弁護士運営の窓口の方が安心です。
退職後の手続きミニ診断
次の会社が決まっていない、家族の扶養に入れるなど状況によって、最初に動くべき手続きが変わります。自分に近い状況から優先順位を確認してください。
入社日が決まっている
入社先の社会保険手続きが中心です。離職票と源泉徴収票が届いたら、入社先の指示に従って提出してください。
家族の扶養に入れそう
家族の健康保険の扶養に入れるか確認します。配偶者の扶養に入る場合は国民年金第3号の手続きも確認してください。
退職前の給与が高め
任意継続と国民健康保険を比較します。協会けんぽの任意継続は退職翌日から20日以内が申請期限です。
扶養に入らず転職先未定
市区町村役場で国民健康保険と国民年金の手続きを進め、離職票が届いたらハローワークで受給申請をします。
退職代行を利用後によくある質問
離職票はいつ届きますか?
退職後2週間〜1か月程度が目安です。会社は雇用保険資格喪失届を「翌日から10日以内」に提出する義務があり、その後ハローワーク経由で離職票が交付・郵送されます。1か月以上届かない場合は、依頼先かハローワークに状況確認を相談してください。
退職代行を使った後、自分から会社に連絡してもいいですか?
原則は依頼先を通したやり取りに統一する方が安全です。直接やり取りを始めると、依頼先が把握していない交渉が発生し、後でトラブルになりやすくなります。連絡する必要が出てきた場合は、まず依頼先に判断を仰ぎましょう。
退職代行を使うと転職活動に響きますか?
退職代行の利用そのものを応募先がすべて把握する仕組みはありません。面接では退職理由を「環境・体調」など事実ベースで簡潔に伝え、今後やりたい仕事に話を戻すのが基本です。前向きな再出発として整理して話せれば、過度に不利になることは多くありません。
健康保険を任意継続するか国保にするかどう決めればいいですか?
退職時の標準報酬月額が高めの人は任意継続の方が安くなる傾向があります。一方、前年所得が大きく下がる人は国保が安くなることもあります。協会けんぽの任意継続は退職翌日から20日以内が申請期限なので、市区町村の国保保険料を窓口で試算してもらい比較すると判断しやすいです。
失業給付(基本手当)はすぐ受け取れますか?
自己都合退職の場合は給付制限期間があるため、申請してから受給開始まで一定期間がかかります。具体的な期間や条件は受給資格決定時にハローワークで案内されます。詳しい条件は厚生労働省「雇用保険制度」の公式ページを確認してください。
会社が退職を認めてくれない場合はどうすればいいですか?
本人の退職意思が伝わっていれば、原則として退職そのものを会社が一方的に拒否することはできません。それでも引き止めや脅しが続く場合は、依頼先に状況を共有し、必要に応じて労働局の総合労働相談コーナーや弁護士に相談する選択肢があります。
未払い残業代や有給消化を交渉してほしい場合は?
金銭交渉は弁護士または労働組合が法的に対応できる範囲です。民間運営の退職代行は交渉ができないこともあるため、未払いや損害賠償の話が出ている場合は、弁護士運営または労働組合連携のサービスを選んだ方が安全です。
退職後に失業保険はいつから受け取れますか?
自己都合退職の場合は、ハローワークへの申請後2ヶ月の給付制限期間があります(2020年以降、3ヶ月から2ヶ月に短縮)。雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あることが条件です。会社都合退職・特定理由離職者(ハラスメント等)の場合は制限なし・7日後から受給できます。退職直後に申請することで、最短で退職翌月から受給が始まります。
まとめ|退職代行を利用後は順番を決めて動けば不安は減らせる
退職代行を利用したあとは、やることが多そうに見えても、実は順番を決めれば1つずつ片付けられます。
この記事のまとめ
- 当日は依頼先の指示確認と、会社への直接連絡を控えることを徹底する
- 退職日前後で返却物・受取書類のチェックリストを使い、漏れを防ぐ
- 退職翌日から20日以内に任意継続の判断、国民年金は速やかに切替
- 離職票が届いたらハローワークで雇用保険の受給申請
- 転職活動は休養と書類整備を先にしてから、エージェント相談へ進む
- 離職票が届かない・退職を認めない等のトラブルは、総合労働相談コーナーが無料で相談に乗ってくれる
「これから依頼する人」「対応範囲を見直したい人」は、申込前に各サービスの公式ページで料金・対応範囲を確認してから決めると、利用後のトラブルも減らせます。


