この記事の結論
ITパスポートと基本情報技術者は、実務経験がない人にとって、基礎知識を持っていることを客観的に示す材料になります。ただし、この2資格を持っているだけで転職の合否が決まるわけではありません。筆者自身も、資格に加えて応募数を確保し、複数の転職エージェントを併用したうえで内定を得ています。資格は転職活動の「土台」であり、活動全体を代わりに進めてくれるものではない、というのが実感です。
この記事でわかること
「資格なんて意味ないのでは」「せっかく勉強したのに評価されなかったらどうしよう」という疑問に対して、ITパスポート・基本情報技術者を保有しIT未経験から転職した筆者が、公式情報と自分の実感の両方から答えます。
取得時期や試験のスコアなど、公表していない具体的な数値には触れず、確認できる事実の範囲で率直に書いています。
① 「資格を取っても転職で役立つのか」という疑問
ITパスポートや基本情報技術者の勉強を始めようとすると、「未経験者向けの資格だから評価されないのでは」「取っても意味がないと聞いたことがある」という不安が先に立つことがあります。せっかく時間をかけて勉強しても、転職活動で報われなければ意味がない、と感じるのは自然なことです。
結論から言うと、この2資格は転職を保証するものではありませんが、実務経験がない状態でも「ITの基礎知識がある」ことを示せる、数少ない材料のひとつです。過大評価も過小評価もせず、資格の位置づけを正しく知っておくことが、遠回りを避ける近道になります。
資格取得前によくある不安
- ITパスポートは簡単すぎて評価されないのでは、と感じる
- 基本情報技術者まで取る必要が本当にあるのか分からない
- 勉強した時間に見合う効果があるのか不安
- 資格よりも実務経験やポートフォリオの方が重視されるのでは、と思う
- 資格を取ったのに書類選考で評価されなかったらどうしよう、と考えてしまう
② 筆者が保有している資格と取得の経緯
③ ITパスポートとは|公式サイトで確認できること
ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。公式サイトでは、社会人向け・大学生向け・高校生向けにそれぞれ案内ページが用意されており、ITに関わる仕事かどうかを問わず、幅広い層が受験する前提の試験であることがわかります。
ITパスポートの基本情報(IPA公式・2026年7月確認)
- 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式、年間を通じて随時実施
- 対象:社会人・大学生・高校生など、案内ページが分かれるほど幅広い層
- 受験料:7,500円(税込)
出典:IPA公式 ITパスポート試験、IPA公式 受験手数料案内。確認日:2026年7月。
④ 基本情報技術者試験とは|公式サイトで確認できること
基本情報技術者試験(FE)も同じくIPAが実施する国家試験で、ITパスポートより一歩踏み込んだ内容です。公式サイトの対象者像には「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」と記載されています。
基本情報技術者試験の基本情報(IPA公式・2026年7月確認)
- 試験方式:CBT方式、随時実施
- 科目A:90分・60問(四肢択一式)
- 科目B:100分・20問(多肢選択式)
- 受験料:7,500円(税込)
出典:IPA公式 基本情報技術者試験、IPA公式 受験手数料案内。確認日:2026年7月。出題内容・受験料は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
⑤ 資格の有無で転職はどう変わるのか
未経験者を採用する求人の多くは、実務経験そのものより「基礎知識があるか」「学習を継続できる人か」を確認材料にする傾向があるとされています。資格は、その確認材料のひとつとして扱われることが多く、資格さえあれば選考を通過できるという性質のものではありません。
資格の有無による違いを、応募書類でアピールしやすい点を軸に整理すると、次のように位置づけて考えられます。数値化された調査結果ではなく、あくまで一般的な位置づけの整理です。
※ この表は横にスクロールできます
| 状態 | 書類で示しやすい点 | 注意点 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 資格なし | 実務経験・学習ログ・独自の取り組みなど、別の材料が必要 | 基礎知識の有無を書類だけで示しにくい | 実務経験や別のアピール材料がすでにある人 |
| ITパスポートのみ | ITの基礎用語・考え方を理解している証明になる | 難易度が高くないため、これ単体で強みにはなりにくい | 未経験からIT業界を目指す、最初の一歩 |
| 基本情報技術者まで取得 | ITパスポートより踏み込んだ技術知識を示せる | 出題範囲が広く、まとまった学習時間が必要 | 開発・エンジニア職を目指し、基礎から体系的に学びたい人 |
上記は筆者が一般的な位置づけとして整理したものです。実際の評価は応募先の企業・職種・面接官によって異なります。
⑥ 実際に転職活動をしてみて感じたこと
資格を取ってから何社くらい応募すればよいか、目安を知りたい場合は未経験IT転職は何社応募すべき?応募数・書類通過率・内定率の目安を20社応募で解説もあわせて参考にしてください。
⑦ 資格取得が向いている人・優先度が低い人
取得を検討したい人
- 実務経験がなく、書類で示せる材料が少ない
- ITの基礎用語を体系的に理解したことがない
- 学習を継続する習慣を作りたい
- 開発・エンジニア職を目指し、基礎から積み上げたい
優先度が低いこともある人
- すでに実務経験や具体的な成果物がある
- 応募のタイミングを優先すべき状況にある
- 目指す職種がCCNAなど、より専門的な資格を重視する分野
- 資格取得だけを目的化し、応募が後回しになりやすい
⑧ これから受験する人が確認しておきたいこと
資格の勉強を始める前に、次の3点を確認しておくと、学習と転職活動の両方を進めやすくなります。
受験前に確認する3項目
- 出題範囲・試験時間:IPA公式サイトでシラバスと試験時間を確認する
- 受験料:ITパスポート・基本情報技術者ともに7,500円(税込・2026年7月確認)。教材費を含めた総額を把握しておく
- 応募のタイミング:資格取得を待ってから応募するのか、学習と並行して応募を始めるのかを先に決めておく
基本情報技術者の次にCCNAやAWSなどインフラ・クラウド系の資格を検討する場合は、未経験インフラ転職はCCNAとAWSどっちが先?費用・難易度・転職実績を比較で優先順位の考え方を整理しています。転職活動全体の準備の流れは、未経験からインフラエンジニアになる方法もあわせて確認しておくと、資格取得後に何をすればよいかが見えやすくなります。
まとめ|資格は土台、転職活動を進めるのは自分
- ITパスポート・基本情報技術者は、実務経験がない人が基礎知識を客観的に示せる材料になる
- 受験料はともに7,500円(税込・2026年7月IPA公式確認)、試験方式はCBTで随時実施
- 資格だけで転職の合否が決まるわけではなく、応募数やエージェント選びなど他の要素も重なって結果につながる
- 筆者は応募約20社・内定3〜4社という結果で、資格を「使える材料のひとつ」として活用した
- 実務経験や他のアピール材料がある人は、資格取得より応募のタイミングを優先してよい場合もある
まずはIPA公式サイトで出題範囲と受験料を確認することが最初の一歩です。資格は転職活動を代わりに進めてくれるものではないため、学習と並行して応募の準備も進めておくと、取得後にスムーズに動き出せます。
よくある質問
資格を活かした求人を転職エージェントで確認する
Q. IT未経験でもITパスポート・基本情報技術者は取得できますか?
どちらも学歴・実務経験を問わず受験できる国家試験です。実際に筆者もIT未経験の状態から取得しました。
Q. 受験料はいくらかかりますか?
ITパスポート・基本情報技術者ともに7,500円(税込)です。2026年7月にIPA公式サイトで確認しました。
Q. ITパスポートと基本情報技術者、どちらを先に取るべきですか?
IT未経験でどちらも初めての場合は、出題範囲が基礎的なITパスポートを先に取ると全体像をつかみやすくなります。基本情報技術者はその後の学習で十分対応できます。
Q. 資格は転職前と転職後、どちらのタイミングで取るべきですか?
決まった正解はありません。筆者はITパスポートを転職前に、基本情報技術者を入社後に取得しています。
応募書類で示せる材料が少ない場合は、転職前の取得が選択肢になります。
Q. 資格を取っても転職で評価されなかったらどうなりますか?
資格単体で評価が決まるわけではないため、珍しいことではありません。応募数を増やす、書類の書き方を見直すなど、他の要素もあわせて調整してください。
Q. 資格の勉強と転職活動を両立できない場合はどうすればいいですか?
資格取得を待ってから応募する必要はありません。学習を続けながら並行して応募を始め、進み方を転職エージェントに相談する方法もあります。
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